自分のロレックスに【シリアルナンバーがない!?】偽物と本物見極め方を解説
はじめまして。ラグジュアリー・ウォッチ・ダイアリー 運営者の「トキ」です。
お気に入りのロレックスを手に入れた時、ふと時計を眺めていてロレックスシリアルナンバーがないことに気づくと、一気に血の気が引くような不安に襲われますよね。
「ロレックスにシリアルナンバーがないのは偽物」という言葉が頭をよぎると、せっかくの宝物が怖くなってしまうかもしれません。また、将来的に手放すことを考えた時に買取シリアルなしでも買取は大丈夫なのかという現実的な悩みも出てくるはずです。
この記事を読み終える頃には、自分の時計の状態を正しく理解し、次にとるべき行動がはっきり見えてくるはずですよ。
- シリアルナンバーの正確な隠れ場所
- ルーレット刻印とラグ間刻印の見分け方
- 本物を判別するためのレーザー刻印の質とフォント
- シリアルが判読不能な場合の資産価値
ロレックスにシリアルナンバーがない理由と確認場所

- 本物かを知りたい時に確かめるべき物理的チェック
- 製造年代ごとに異なる刻印位置と見分け方のコツ
- 特殊モデルに見る裏蓋の刻印があるかないかの判断基準
- 個体の履歴を証明するシリアルナンバー追跡の仕組み
- 文字盤内側に刻まれた最新のルーレット刻印
ロレックスのシリアルナンバーが見当たらない最大の理由は、実はロレックスがその長い歴史の中で「刻印の位置」を何度か変更しているからなんです。
あなたが「ない」と思っているのは、単に今のモデルと探し場所が違っているだけかもしれません。まずは、自分の時計の年代に合わせて、正しい場所を確認することから始めてみましょう。
本物かを知りたい時に確かめるべき物理的チェック
自分の時計が本物かを知りたい確かめるためには、まず時計の「6時側」をチェックしてみてください。多くの人が陥る罠が、12時側と6時側の見間違いです。
ロレックスの場合、12時側には型番(リファレンスナンバー)が、6時側には固有のシリアルナンバーが刻印されるのが基本ルールです。
もし2000年代半ばより前のモデル(5桁リファレンスなど)をお持ちであれば、ブレスレットを外さない限り、その番号を拝むことはできません。

このブレスレットの取り外し、実は初心者にはかなりハードルが高いんですよね。専用のバネ棒外しという工具が必要なのですが、不慣れな状態で無理に外そうとすると、ラグの裏側に無数の傷をつけてしまうリスクがあります。
傷が増えると後々の査定額に響くこともあるので、自信がない方は時計店で「ブレスレットの洗浄」を依頼するついでに、刻印を確認させてもらうのが一番賢い方法かなと思います。
ロレックスのシリアルナンバーは、ブレスレットを外したケース側面の「6時位置」か、文字盤の縁の「インナーリング(6時位置)」のどちらかに必ず存在します。どちらにも全く形跡がない場合は、残念ながら個体の出自を疑う必要があります。
また、古いモデルでは「打刻(スタンプ)」による刻印が行われていますが、この打刻の質も重要です。本物は一文字一文字が力強く、均一な深さで刻まれています。
一方で粗悪な偽物は、文字の並びがガタガタだったり、彫りが浅すぎて光の加減で見えなくなったりすることもあるので、ルーペを使ってじっくり観察してみてくださいね。
製造年代ごとに異なる刻印位置と見分け方のコツ

ロレックスのシリアル刻印の歴史は、大きく分けて3つのフェーズに分けられます。この変遷を知っておくだけで、見分け方の精度がぐっと上がりますよ。まず1920年代から2000年代前半までは、一貫して「ラグ間(ケースサイド)」のみに刻印されていました。
しかし、2004年頃から偽造防止のために「ルーレット刻印(インナーリング刻印)」が導入され始めます。この時期は移行期と呼ばれ、Z番やM番の一部には「ラグ間」と「ルーレット」の両方に番号がある「ダブル刻印」の個体も存在します。
これはマニアの間ではちょっとした面白い特徴として知られていますね。
2010年(G番)を最後にアルファベットによる年代特定ができる規則性が廃止され、それ以降の現行モデルはすべて「ランダムシリアル」となり、刻印場所もルーレット刻印に一本化されました。
つまり、今お店に並んでいる新品のロレックスを手に取って、ラグの間を見ても「刻印がない」のが正解なんです。逆に、現行モデルなのにラグの間に無理やり番号が彫ってあるような個体があれば、それは非常に怪しいと考えたほうがいいかもしれません。
2010年以降の「ランダムシリアル」は、8桁の英数字がランダムに並んでいます。これにより、番号からだけでは製造年が分からなくなったため、購入日を証明するギャランティカードの重要性が以前よりも格段に増しています。
私が以前、友人のエクスプローラーを見せてもらった時、彼は「番号がない!」と焦っていましたが、よく見るとルーレット部分に綺麗にレーザー刻印されていました。自分の持っているモデルがどの年代のものかを知ることは、正しい鑑定への第一歩ですね。
もし仙台近辺にお住まいで、実物を見て相談したいという方は、以前書いた【ロレックスが仙台で買えないのはなぜ?】その理由と藤崎攻略法・中古店の活用術も参考にしてみてください。
特殊モデルに見る裏蓋の刻印があるかないかの判断基準
一般的に「ロレックスの裏蓋はツルツルの無地」というのが定説ですが、実はこれには例外がいくつかあります。裏蓋に刻印があるかないかの判断基準を間違えると、本物なのに偽物だと勘違いしてしまうことがあるので注意が必要です。
基本的には、デイトジャストやサブマリーナー、コスモグラフ デイトナなどの主要モデルは裏蓋に刻印がありません。しかし、ハイスペックなプロフェッショナルモデルには、その性能を誇示するかのような特殊な刻印が入ることがあります。
例えば、過酷な深海調査に耐えるシードゥエラーには「ROLEX OYSTER ORIGINAL GAS ESCAPE VALVE」といった文字が誇らしげに並んでいます。また、磁気に強いミルガウスにも独自の刻印が見られます。
最近の大きなニュースとしては、2023年に発表された「デイトナ ル・マン」のように、裏蓋がシースルー(裏スケ)になっているモデルも登場しましたね。この場合は、裏蓋の金属縁の部分に細かな刻印が入っています。以下の表に、主な例外モデルをまとめてみました。
| モデル | 裏蓋の特徴 | 主な刻印内容 |
|---|---|---|
| シードゥエラー | 凹凸のある打刻 | ガス脱出バルブに関する英文 |
| ディープシー | チタン製裏蓋と二重構造 | 耐圧スペックとブランド名 |
| ミルガウス | フラットな裏蓋 | 耐磁性を示す”MILGAUSS”の文字 |
| ヴィンテージの一部 | 素材表記など | “Stainless Steel”などの簡素な表記 |
もし、これらの特殊モデルではない普通のデイトジャストなのに、裏蓋に「Rolex Winner 1992」なんて刻印があったら、それは高い確率で観光地の露店などで売られているようなコピー品ですので注意してください。
個体の履歴を証明するシリアルナンバー追跡の仕組み
ロレックス愛好家にとって、シリアルナンバーは単なる管理番号ではなく、その時計が歩んできた歴史を知るためのタイムマシンのようなものです。このシリアルナンバー追跡を行うことで、自分の時計がいつ頃製造されたケースなのかを特定することができます。
特に1987年から2010年までの「アルファベット・プレフィックス」時代は、頭の一文字を見るだけで年代が判明するため、中古市場での価格設定にも直結します。例えば「P番なら2000年」「Z番なら2006年」といった具合ですね。
しかし、ここで一つ面白い豆知識があります。ロレックスのシリアルナンバーはあくまで「ケースが製造された時期」を示すものであり、ムーブメントが作られた時期や、実際に正規店で販売された時期とは必ずしも一致しません。
ケースが作られてから数年後に組み立てられ、さらに数年後に売れるということもあるからです。そのため、本当の意味での「個体の誕生日」を知るには、時計本体のシリアルだけでなく、保証書に記載された販売日と照らし合わせる必要があります。
文字盤内側に刻まれた最新のルーレット刻印

現行のロレックスにおいて、最も美しく、かつ偽造が困難な部分の一つがルーレット刻印です。ガラスのすぐ下、文字盤を囲むように「ROLEX ROLEX…」と続くこの刻印には、ロレックスの精密加工技術が凝縮されています。
特に6時位置に配置されたシリアルナンバーは、肉眼では小さくて見えにくいかもしれませんが、10倍ルーペなどで覗くとその美しさに驚かされます。本物のルーレット刻印は、鋭いレーザーで彫られた断面が鏡のように輝くのが特徴です。
偽物の多くは、この部分の加工をコストの安い「ドットマトリクス(点の集合)」で行っています。ルーペで拡大した時に、文字の輪郭がざらざらした砂のようであったり、点の集まりに見える場合は注意が必要です。
また、12時位置の王冠マークが正確に12時のインデックスと重なっているか、文字盤の1分刻みの目盛りと「ROLEX」の各文字がピタリと整合しているかも、真贋判定の大きなポイントになります。本物は、驚くほど緻密な計算のもとに配置されているんです。
さらに、サファイアクリスタルの6時位置にある「王冠の透かし(LEC)」も合わせて確認しましょう。これはシリアルナンバーではありませんが、同じく2000年代以降の偽造防止技術です。
あまりにハッキリと肉眼で見えすぎる透かしは、かえって偽物の可能性が高いというのも面白い話ですよね。本物の透かしは、特定の角度から光を当ててようやく浮かび上がる、まさに「ステルス」な仕様なんです。
こうした細部へのこだわりこそが、私たちがロレックスに魅了される理由なのかなと思います。正確な真贋の判定基準については、常に進化しているため、最終的な判断は専門の鑑定士や日本ロレックスへの修理依頼を通じて行うのが最も確実です。
ロレックスにシリアルナンバーがない場合の価値と対策

- 裏蓋の刻印を消すことが査定に響く理由
- メーカー修理で提供される刻印サービスの実施条件
- 裏蓋シールが緑色の個体の真実
- 修理見積書を活用してシリアル不明の個体を証明する
- 判読不能個体の買取相場
本当にシリアルナンバーが消えてしまっている場合、あるいは判読できない場合に、その時計の価値はどうなるのか、そしてどうやってそれを証明すればいいのか。資産価値を守るためのサバイバル術をお伝えします。
裏蓋の刻印を消すことが査定に響く理由

「ロレックスは一生モノ」と言われますが、そのためには定期的なオーバーホールが欠かせません。その際、サービスとして行われる「ポリッシュ(新品仕上げ)」は、時計をピカピカにしてくれる嬉しい作業ですが、実は諸刃の剣でもあります。
研磨とは、金属の表面を薄く削り取ること。これを何度も繰り返したり、技術の未熟な業者が強引に研磨したりすると、ケースの形状が痩せ、最悪の場合は裏蓋の刻印を消してしまうという事態に。
特にラグの間に打刻されたシリアルナンバーは、研磨の影響をダイレクトに受けやすい場所です。シリアルが薄くなった状態を「刻印が甘い」と表現しますが、これは中古市場ではかなりのマイナス査定要因になります。
なぜなら、シリアルが読めない時計は「盗難品ではないか」「ケースの整合性が取れない」といった疑いを持たれてしまうからです。また、研磨だけでなく「錆(ピッティング)」も強敵です。
ブレスレットとケースの間に溜まった汗を放置すると、ステンレスでも腐食し、刻印部分を虫食いのように破壊してしまいます。資産価値を維持するためには、日頃のクリーニングを徹底し、信頼できる職人にのみメンテナンスを依頼することが不可欠ですね。
過度な研磨や腐食でシリアルが判読不能になった個体は、一般的な買取店では真贋の保証ができないため、買取を拒否されるか、通常の相場から30%〜50%程度の超大幅な減額となる可能性が高いです。まさに「資産価値の崩壊」と言っても過言ではありません。
(出典:日本ロレックス公式サイト『お手入れとサービス』)
公式でも推奨されている通り、定期的なケアこそが、デリケートな刻印を守る唯一の方法だと言えそうですね。
メーカー修理で提供される刻印サービスの実施条件
もし、あなたのロレックスのケースが激しく損傷したり、腐食が進んで防水性能が保てなくなったりした場合、日本ロレックスでは「ケース交換」という選択肢が提示されます。
ここで多くの人が期待するのが、元のシリアルナンバーを新しいケースに彫り直してくれる刻印サービスですが、残念ながらロレックスはそのような対応は一切行いません。
交換された新しいミドルケースには、あらかじめ「44」や「47」、「48」から始まる特殊な「サービスシリアル」が刻印されています。
これは、その時計が過去にメーカーの手によって正規の修理を受けたという「勲章」でもありますが、ヴィンテージ愛好家の間では「オリジナリティが失われた」と見なされることが多いのも事実です。
特に、希少なヴィンテージモデルでケースを交換してしまうと、市場価値が半分以下になってしまうことも珍しくありません。
しかし、実用面で言えば、新品のケースに交換されることで防水性は完璧に戻り、また数十年と使い続けられるようになるという大きなメリットもあります。資産価値を取るか、実用性を取るか、非常に悩ましい選択ですね。
もしケース交換を行う場合は、返却される「国際サービス保証書」を絶対に紛失しないでください。これが、元の個体との繋がりを証明する唯一の書類になりますから。
裏蓋シールが緑色の個体の真実
1990年代から2000年代中盤までのロレックスには、裏蓋に緑色のホログラムシールが貼られていました。これには金色で王冠マークとリファレンスナンバーが印字されており、当時は「このシールが剥がれていない=未使用の証」として重宝されていました。
しかし、このシールには大きな落とし穴があります。実はこの緑色のシール、市場に大量の偽物が流通しているんです。粗悪な偽物ロレックスに、これまた安っぽい緑色のシールが貼られているのをよく見かけます。
本物のシールは、光の当たり方で王冠マークが立体的に浮かび上がる緻密なホログラム加工がされています。また、長く使っていると汗でふやけたり、文字が消えたりするのが自然です。
逆に、何十年も前のモデルなのにシールが不自然に新品のまま残っている場合は、後から偽物のシールを貼り直した可能性も疑わなければなりません。
最近のモデルではこの緑色のシールは廃止され、透明な保護フィルムに変わっています。シールの有無だけで本物だと安心せず、あくまで刻印やムーブメントの状態とセットで判断するのが、失敗しないためのコツかなと思います。
修理見積書を活用してシリアル不明の個体を証明する

「刻印が消えかけていて読めない、でも本物だと証明したい」という絶望的な状況において、唯一の希望となるのが日本ロレックスの発行する「修理見積書」です。
もしその時計を日本ロレックスに持ち込み、オーバーホールの見積もりを依頼して、無事に受理されたなら、その時点でその時計は「メーカー公認の本物」であることが確定します。
ロレックスは改造品や偽物、あるいは不正な個体については、一切の見積もりも修理も拒否するという徹底した姿勢をとっているからです。
この見積書には、メーカーが内部の台帳と照らし合わせて確認した「正式なシリアルナンバー」が印字されます。たとえ本体の刻印が肉眼で読めなくなっていても、この書類があれば、個体の身元を公的に証明できることになります。
買取に出す際も、この見積書があるだけで査定員の安心感が全く違いますし、減額幅を最小限に抑えることができるはずです。
ただし、見積もりを依頼するには数週間の時間がかかりますし、見積書そのものに有効期限がある場合も多いので、ここぞという時の「最終兵器」として活用するのが良いでしょう。
判読不能個体の買取相場
実際のところ、シリアルナンバーが判読できないロレックスは、日本の中古市場でどのような扱いを受けるのでしょうか。結論から言うと、大手チェーンの質屋などでは、リスク回避のために「買取不可」とされるケースが非常に多いです。
コンプライアンスが厳しい現代において、身元不明の個体を扱うのは業者にとっても大きなリスクだからです。もし買い取ってもらえる場合でも、相場は通常の個体と比較して20%から、最悪の場合は50%以上の大幅な減額となるのが一般的です。
例えば、通常100万円で売れるサブマリーナーのシリアルが消えていた場合、50万円から70万円程度の査定になればマシな方かもしれません。これは、その時計を再販する際に「シリアル不明の訳あり品」として安く売らざるを得ないためです。
ただし、先ほどお話しした「日本ロレックスの修理明細書」が付属している場合は話が変わります。正規のサービスを受けた記録があれば、ショップ側も安心して販売できるため、減額を数万円程度に抑えてくれる優良な店舗も存在します。
大切なのは、自分の時計が「なぜシリアル不明なのか」を論理的に説明できる資料を揃えておくことですね。
まとめ:ロレックスにシリアルナンバーがない不安を解消する鍵

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。ロレックスにシリアルナンバーがないという事態に直面すると、最初は誰でもパニックになってしまうものです。
しかし、今回お伝えしたように、刻印の場所が年代で変わっていたり、正当なメンテナンスの結果として番号が変わっていたりすることも少なくありません。大切なのは、焦って自分で磨いたり、怪しい修理業者に出したりせず、まずは正しい知識を持って現状を把握することです。
この記事のポイントをもう一度おさらいしておきますね。
- 2010年以降のモデルなら、ラグの間ではなく「文字盤の縁(ルーレット)」を確認する
- 2000年代半ばより前のモデルは、勇気を出してブレスレットを外し、6時側のケースサイドを確認する
- 裏蓋に刻印がないのは正常な仕様。ただし、プロフェッショナルモデルは例外があることを知っておく
- 刻印が消えてしまった場合は、日本ロレックスに見積もりを依頼して、公的な証明書を入手する
時計は単なる道具ではなく、あなたの人生の時間を共に刻む大切なパートナーです。たとえシリアルナンバーが薄くなっていたとしても、これまでのメンテナンスの記録や、あなたが愛用してきた事実は消えません。
この記事が、皆さんの不安を少しでも解消し、お気に入りのロレックスとこれからも長く付き合っていくためのヒントになれば、運営者としてこれほど嬉しいことはありません。
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